「リカレント教育」という言葉をつい先日知ったノリ(@halo_transcend)です。
横文字ですし、どんな意味なんだろうって調べたところ、「生涯学習」とは微妙に違う概念だということがわかりました。
今回は、このリカレント教育について、本当に大切なことをお話していきます。
リカレント教育について
リカレント教育とは
リカレント教育とは、「回帰する」「循環する」を意味する英単語「recurrent」から来ています。
もともと、。スウェーデンの経済学者ゴスタ・レーンという人が提唱した概念で、1970年には経済協力開発機構( OECD)の教育政策会議で取り上げられて、現在に至ります。
日本では1972年にはじめて報告書で出てきて、2005年に愛知県が取り組みを紹介したり、2018年に「人生100年時代構想会議」の中で話題になったりしています。
先ほどの愛知県の紹介によると、
青少年期という早い時期に集中していた教育を「血液が人体を循環するように、個人の全生涯にわたって循環させよう」とする
ところに主要な特徴がありました。
とあります。
確かに学校教育に限って言えば、20歳前後で終わってしまって、その後一生学校で授業を受けることはないという人がほとんどですから、考えてみればおかしな話です。
生涯学習との違い
生涯学習は、学校教育とはかかわりなく、自分の意思で学びたいことを学んでいくという意味合いが強いです。
それに対しリカレント教育は主に「就職」や「スキルアップ」を視野に入れた考え方と表現するのがしっくりきます。
再び学び、再び働く、あるいはその両方を通じて、血のめぐりのようにぐるぐるまわっていくというのがイメージできると思います。
なぜ話題になっているのか
ざっくり言えば「働いてほしいから」です。
政府にとっては、たくさん働いてたくさん稼いでたくさん消費して経済を回してほしいと思っているでしょうし、
企業にとっては、学んでより高いパフォーマンスを発揮してほしいでしょうし、
家族にとっては、学んで収入を上げてほしいですし、
結局は「学んでほしい」というよりも、「働いてほしい」んです。
ただ、大学などの教育機関は「学んでほしい」と思っているかもしれませんが、それは大学にとって私たちはお客様だからです。
「働き方改革」という名の取り組みが進んでいる今、リカレント教育は働く上でとても重要な考え方になるのです。
取り組みの例
日本でも様々な取り組みが行われていて、例としては、
- 各大学が社会人向けの講座を開講したり、入学を推進する
外部リンク:大学によるリカレント教育(開放授業講座) | 聖学院大学
- 自治体がリカレント教育を推奨する
- 企業がリカレント教育を推奨する
などがあります。
3つ目の企業については、仕事の中で新しいスキルを身に着けていく(OJT)と、仕事以外の時間や、外部講師から学ぶ(Off-JT)などがあります。
リカレント教育で大切なこととは
何のために学ぶのか?
まずは、教育を受ける人に向けてお話したいと思います。
教育とは、「教え」「育てる」という意味です。英語で「education」は、「能力を引き出す」という意味合いがあります。
これらから、教育とは、「自立の過程」と表現することができると思います。
ですから、幼い時に教育を受け、自立した後に教育の必要がなくなるのは、ある種当然のことかもしれません。
リカレント学習でもリカレントな学びでもなく、「リカレント教育」である以上、この考え方は無視できません。
教育は、才能を引き出し、自立するためにある。
ですから、自立している人に対して、持つ人が持たない人に知識を与えるだけの教育は必要ありません。
特に今の時代、インターネットや本、インタビューで簡単に情報が手に入りますから、無理して教育を「受ける」ことはないのです。
何のために学ぶのかはよく考えた方がいいでしょう!
自分探しの旅と同じで「能動的な受け身」になってしまいます。
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学びがどうなるのか
リカレント教育にこめられた理念と、その取り組みは素晴らしいものです。
しかし、常に仕事を視野に入れた教育では、視野が狭くなると言わざるを得ません。
仕事に関係のない知識でも、人生を豊かにする生涯学習的な意味の学びも、大切なはずです。
深みのある学びは、決して単に知識を与えるだけの教育からは出てきません。
それに、お金を払わなければ「安いしまぁいっか」とテキトーになってしまうこともありますし、逆に高額なら「高いからやめておこう」とスキルアップをしたい人が断念してしまいます。
このあたりは非常に難しいところだと思います。
結局学びをどう生かすのかは自分次第なところがありますから。
リカレント教育で本当に大切なこと
今まで話した内容ももちろん大切ですが、本当に大切なことは、「学びたいことをやりたいように学ぶ」ということです。
自分が必要だと思わなければやらなくていいですし、学びたいと思わなければもっとやらなくていいです。
しかし、最初はいやいや学んでいたものが、だんだん楽しくなってくるということも大いにあります。
私が大学受験の勉強をしていた時がそうでした。
大学合格のためでもなく、親のためでも、自分のためですらなく、ただひたすら「できない」が「できる」に変わることが楽しかった。
あの輝きは、今も忘れられませんし、大事にしています。
リカレント教育も同じで、教育という「自立の過程」を終えた人であれば、もはやリカレント教育をする意味などありません。いや、意味が必要ではありません。
意味が必要なくなって、ただ「今ここ」に集中できた時、あなたの学びは飛躍的にレベルアップするに違いありません。
日々の生活によりよいを
ノリ
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