こんにちは!ノリです。
今回は「心理学で人の心は読めるようにならない」と断言できる理由についてお話していきたいと思います。
心理学を学んでみたいと思う高校生、人の心を知りたいと思っている社会人など、たくさんの人が心理学に興味を持っていると思います。そのような人たちのほとんどが持つであろう疑問が「心理学を学んだら人の心が読める読めるようになるのか」というものです。
今回はそのような疑問に対してはっきりと「できません!」と言うべく記事を書くことにしました。
私は大学で社会心理学を専攻していたので、4年間分の専門性を生かして、心理学に対する誤解を解きたいと思います。
まずは本題に入る前に、「心理学で人の心は読めるようになるのか?」の言葉の意味から考えていきます。
心理学とは?
心理学とは、人の心を科学する学問です。
心という元々数字で表せないものを数字にするので、科学ではないと言われることもありますが、その手法は再現性や一般性を見出し、法則や理論を導き出す「科学」です。
巷では「心を読む系」の本が多く売られていますが、その内容はエセ心理学といっていいものが大半であり、学術的な理論立っているものはほとんどありません。かろうじて近いものといえば、行動心理学や社会心理学です。
「心理学で」というのは、主に大学で学ぶ心理学全般を指しています。本で学ぶ心理学なら答えることは可能です。「目的にもよるが心理学で人の心を読むのは相当難しい。むしろ遠回り」というのが結論です。
次は「心」について考えていきます。
「心とは?」
これが一番難しいです。「心とはなにか」という話です。
心をどのようにとらえるかによって「読む」ことが可能かどうかは変わってきますし、そもそも「読む」ものなのかどうかというのも変わってきます。
何をもって「心」なのか?人の気持ちを読むみたいな感じなのか、何を考えているか言葉で理解するレベルなのか、全然違いますからね。難しいです。
「読める」とは?
心理学というと、人の心を科学するわけですが、心理学を学んで「人の心が読めるようになる」というわけではありません。
100%人の心が読めると信じている人は少ないでしょうし、世の中のお偉いさんは心理学者だらけになってしまいますよね。
そうでなければ、100%読める状態を「読める」というのではなく、「10%」でも心が読めるのであれば「読める」ことになります。
または心理学者ではなく、スピリチュアル系の一部の人にしか心は読めないということかもしれません。
何をもって「読める」とするのかは「心」と同じようにわからないです。
結局心は読めるの?
読めません。
「心が読めるようになる方法」というのは、
「1日で〇〇kg痩せる方法!」とか「1週間聴くだけで英語がペラペラに!」みたいな類の嘘っぱちです。
そんなに簡単にできることじゃないからこそ私たちは会費を払ってジムや英会話教室にいくのです。
そこへ行ったって最終的には「自分のやる気」にとっても左右されます。
人の心を読むことだって簡単じゃないですし、「自分のやる気」が非常に大切になりますし、「本を読んだだけで」みたいな楽をしようとしているなら道のりは遠いと言わざるを得ません。
心が読めるに近いこと
心を読むことはできませんが、それに近いことならできます。
よくあるのが行動心理学で、クセやしぐさなどのボディランゲージから感情を読み取るということです。
あるいは、口調や言葉の内容から何を考えているのか推測することはできます。
「ありがとう(笑顔)」と「ありがとう!(怒った顔)」では意味合いが違ってきますよね。
その程度で良いのであれば、私たちは普段から人の心を読んでいることになります。
もちろん、あなたが心を読めるようになりたいとして、怒っている口調を判断して、怒っていると推測するだけでは満足できないかもしれません。
自分の心も読めない
でも、考えてもみてください。
一番身近な心、すなわち自分の心について読むことができますか?
常に共にある存在でさえ、心を読むことは難しいのです。
「今の自分が何をしたいか」「どう感じているか」「何を考えているか」が常にわかるのであれば、それはもう悟りの境地です。
「それは自分自身だから、鏡がないと自分を見ることができないように、自分の心も見ることができないのだ」という人がいるとしましょう。
しかし、一度「自分の心が読めないことが当然」ということを受け入れてしまえば、自分が他人の心を読むときも、その他人は自身の心を読めないわけですから、答えの確かめようがなくなってしまいますよね。
だから何を推測したとしても、予想は当たることになります。
それは心を読めたと言えるのでしょうか?
心理学がどうとか関係なく、人の心は読めないことになります。
現実的に心を読む
心を読むことはできなくても、推測することは可能です。
それが必ずしも当たっているとは限りませんが、現実的です。
心を直接目で見ることができない以上、目に見えるものから推測することしかできないのです。
心理学も法則から導き出すのはあくまでも予測であって、「~という理論があるから人は必ずこうなる」というものではないのです。ただ、「~という理論によれば人はこうなるという可能性を完全に否定することはできない程度の差がある」くらいのことは言えます。
「こうなるだろう」くらいのことしか言えないのです。これは他の目に見えない、数字に表しにくい学問でも言えます。
ですが、逆に言えば推測なら私たちにもできます。
その場合、ホームズじゃないですが、日々の観察がモノを言います。
ちゃんと人を見ていなければ推測の精度は上がりません。
この話はまた別の機会にしたいと思います
まとめ
人の心は読めません。正解がないからです。何を言っても不正解になったり、正解になったりする問いは問いとして成り立ちません。
淡い期待を抱いて大学に心理学を学びに行っても、現実とのギャップに苦しむことになってしまいます。
本を読んでも仕方ありません。
それをするくらいなら、ひたすら誰かと過ごしている時間を大切にした方が良いでしょう。
人の気持ちを分かるようになるのは難しいですが、分からないのが当然でいいんです。
ぜひ心理学の名を騙っている甘い誘惑に惑わされないように気を付けてくださいね!
日々の生活によりよいを
ノリ
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