こんにちは!ノリです。
あなたは『自助論』という本を知っていますか?学校の授業ではあまり習わないので、知らないという方も多いかもしれません。
私は何かの教材でそれを知って、それからいつか読みたいと思っていました。
そこで、つい先日古本屋でこの本を見かけて、買って読んでみたところ、学ぶべきところおが多くあったため、ここに紹介したいと思います。
自助論とは
様々な姿を持つ自助論
一般に『自助論』と呼ばれている本は、イギリスのサミュエル・スマイルズという人が書いた原題『Self-help with Illustrations of character and conduct』を翻訳したものです。直訳すると「自己を助けるということ~性格と行為の説明付き~」といったところでしょうか。
この本は明治4年に『西国立志編』という名前で日本に上陸しました。
当時、福沢諭吉の『学問のすゝめ』と並んで、100万部を越えるベストセラーとなりました。
しかし、そのときの翻訳では少し堅苦しいところや、現代ではわかりづらい例もあるため、それを取り除いたのが竹内均という人が訳した『自助論』になります。
現代では何度もこの人の翻訳した本が改題されたり再編集されたりして、様々な形で世に売られています。
私が持っているのは『よく考える人 よく動く人』という題名ですが、中身は全く自助論と同じです。
大抵表紙に「Self Help」と書かれているはずなので、まず作者で探して、それから表紙を見れば書店でも見つかると思います。
自助論をざっくり解説
現代になぜこの本が必要なのかお話する前に、読んだことのない人のためにざっくりと解説をします。
この本のジャンルは数々の偉人や欧米人の成功を集めた「成功談集」であり、平たく言うと「自己啓発本」です。
「天は自ら助(たす)くる者を助(たす)く」という格言からはじまる有名な書き出しに、そのすべてが詰まっていると言っても過言ではありません。
これは、「自分を自分の力でなんとかしようとしている人こそ、他人からの援助を得たり、強運だったりする」ということです。
一見すると矛盾していますが、なんとなくわかる気はすると思います。
たとえば、「親切をしてもらって当然」と思っているAさんと、「親切されるより人に親切をしよう」と考えているBさんでは、Bさんの方を助けたくなりますよね。要はそういうことです。
言い換えると、最初から人を頼るのではなく、自分にできること、自分にしかできないことはやって、それ以外を助けてもらうということです。
人間一人にできることなんてそれほど大きくはありませんが、そのひとりひとりが集まって社会があり、世界があります。
ということで、自分が自分を助け、自立していくことが成功への近道だというのがこの本の核心です。
なぜ現代に自助論が必要なのか
それでは、ようやく本題です。
なぜ現代にこそ自助論、ひいては自助の精神が大切なのかという理由についてお話します。
成功に一番大切なものがわかる
現代にあふれかえっている自己啓発本ですが、それらの本が言おうとしていることは大抵同じなので、何冊も買う必要も、読む必要もありません。
私は以前、自己啓発本にハマっていた時期がありましたが、結局、そんな本ばかり読んでいても自分で考えて、落とし込まないともったいないということに気づいたのです。
その核となる内容は、全てこれ1冊で済む話です。
ここで言ってしまうとなんの凄みも伝わりませんし、当たり前のことなので軽く見てしまうかもしれませんが、お話します。
それは、「勤勉、勤勉、アンド勤勉」です。納得でしょう?
いくら運があってもそのチャンスを自分のものにできなければ成功はできませんし、自分の信念に従ってひたむきに前に前に進んでいけばそれは成功です。
「芸術はバクハツだ!」の岡本太郎もこう言っています。
[link url=”https://noritlas.com/okamoto-taro/”]人間にとって成功とはいったいなんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。 ―岡本太郎
要するに、成功とは、目標と同じではありません。目標は達成したら終わりではなく、新たに新たに目標ができます。その目標を達成するのはもちろん大切ですが、それよりも、その目標に向かって全力で進んでいるということこそ成功なのです。
これは、ちんけな自己啓発本には書いてありませんし、良い本だったら必ず書いてあることです。
ご存知の方も多いであろう『フランダースの犬』は確かに悲しい話ではありましたが、決してその生き方がかっこ悪いとは私は思いません。自分の信念を貫くというのは簡単に真似できることではありません。
自助論に出てくる人物や事例ではほとんど成功ばかりですが、中には死後数十年経ってから功績が認められたなんてこともあります。
現代では働き方改革があり、偏見の解消など、変わり行くことも多くありますが、成功についての考え方は昔と変わっていません。
成功に一番大切なものは「勤勉」であり、成功は目指すものではなく、そこにあるものだと考えることができるようになることが大切ではないでしょうか。
読書についての考え方が変わる
自助論は割りと、本を読むだけということには否定的で、実践こそが大切だと説いています。
自助論自体が本のくせによく言うよ……。と思いましたが、それはショーペンハウエルの『読書について』も同じですね。あれほどボロボロに言ってはいませんが、なかなかスマイルズさんも厳しいところがあります。
読書を自己啓発の手段と思いこんでいる人は多い。だが実際には、本を読んで時間を潰しているだけの話だ。この暇つぶしに何か有益な点があるとすれば、せいぜい悪事をはたらくゆとりをその人から奪うことくらいなものだ。 ―サミュエル・スマイルズ
とにかく、挑戦あるのみ!ということなのでしょうが、それはちょっといい過ぎ!と思います。
しかし、読書を単なる手段として用いるなら、それは悲しいものなのは当然です。
それはこの記事でもお話しました。手段と目的
ですが、時間つぶしのつもりで読んだ本が運命の出会いだったということはあると思います。
実際難しいところではありますが、良き本は行動のお手本になるという点でおおよそ一致しているのではないでしょうか。
それは、現代にも必要な考え方でもあります。
大切なのは、決して本そのものが自分を助けてくれるというわけではなく、その本が自分で自分を助けるお手本になったり、きっかけになったりするということです。
同じことを現代ではこの人が言っているのでそちらもよければどうぞ。
まとめ
ところどころ納得のいかないところもありますが、それは良いことです。本に書いてあること全てが良いということではないですから。
自助論をおすすめしたい理由は、
- 成功についての考え方を身につけられる(きっかけが得られる)
- 読書がよりよくなる(きっかけが得られる)
- 人格が大事ということがわかる(きっかけが得られる)
というものです。あくまでも、きっかけが得られるという話です。
読んで誰でも成功できるならそれは魔法以外の何でもないでしょう。
それでも、この本には何か力を感じます。あくでも気持ちの問題なのですが。
だけど、それこそ大事。
日々の生活によりよいを
ノリ
日々の生活によりよいを
ノリ
コメント